正極活物質の放電プロファイル

活物質に関する論文を見るときに容量の値(**mAh/g)に注目しがちであるが、放電プロファイルの形とカットオフ電圧も確認しておきましょう。

例えば下図のようなプロファイルの放電曲線が得られたとしましょう。扱いやすい電池はどちらでしょう?

 充放電にはカットオフ電圧の設定があって、充電時は上限電圧に達したところで定電流充電のモードから定電圧充電のモードに移行します。また放電時はカットオフの下限で放電を停止します。これらの設定電圧を超えると活物質に不可逆な反応を与える恐れがあるため、それを防止するための措置でカットオフ電圧が設定されます。

(a), (b)ともにおよそ同じくらいの容量を持っています。カットオフ上限と下限間の平均電圧に違いはあるでしょうか?(a)の方が平坦な電圧の領域が大きいため、(b)よりも高くなります。縦軸と横軸の積つまり面積の単位はV×Ah=Whとなりますので、この数値が大きい方が好まれます。(a)のような平坦な放電プロファイルを示す活物質は2相反応型の活物質に多く、電池の放電電圧がほぼ一定です。こういったタイプの活物質はLiFePO4などが代表的です。LiFePO4は3.4Vでほぼ一定の値を示します。

電池の容量の観点でいえば(a)の方が使いやすいですが、電池の残量を確認する観点では(b)の方が電圧の変動が大きいので、電圧をモニタリングすることで電池残量を的確に判断しやすいとも言えますが、電圧変動が大きい電池は扱いにくいでしょう。

低電位での反応を含めて容量を示していることはよくあるので、容量の値ばかりに左右されないようにしましょう。

半導体のパッケージ基板にガラスを採用

Intelがガラス基板を本格採用へ、2020年代後半から
極めて平滑な表面と、耐熱性熱膨張がシリコンに近いこと、薄型化が進んだこと、および微細加工の技術が進んだことなどガラスの特徴が活用されています。光インターコネクトとの整合性もあります。ムーアの法則が継続できるそうで、とても興味深い話題です。

https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2309/19/news070.html

Analog Discovery

改組に伴って学生実験のテーマを新たに検討中。助教のころに立ち上げたテーマにはプログラミングの要素、linuxに慣れる目的もこめて、ラズパイを積極活用しようと思って嗜好をこらしたが、ラズパイも5世代目に進化した。でもなんか違う。消費電力、価格などもはやお手軽コンピュータとは言えなくなった。むしろファンレスでWindows搭載ののNucBoxの方が破格だったりもする。raspi2,3あたりがよかったな。
 こういった機会がないと自身もカリキュラムも新陳代謝できないので、おそらく学生実験のテーマ設定に関わるのは最後で最高の機会だと思って、物質系の学生実験×DXすべく全身全霊で修行中です。
 しばらく半導体不足が続いて面白そうだと思いながら忘却しかけて、出遅れましたが、最近、興味深々なガジェットがAnalog Discoveryです。オシロ、ファンクションジェネレータ、スペアナ、ネットワークアナライザ・・・教育用のスペックとは言え十分すぎる夢のような構成が手のひらサイズです。こんなのが20年前にあったら良かったのに。
 円安で高めな価格設定になっていますが、いずれ円安が落ち着いてくれることを期待し、少しずつ数を増やしていって、研究室の計測器を併用すれば必要数はしのげそう。インピーダンスアナライザで固体電解質のイオン伝導を評価してみようかと思案中です。

 しかしながら年々マルチメータ―を使ったことがない学生がとても多くなっているのを感じています。マルチメータ―なんて中学の技術で製作する定番品でしたよ。日本では急に半導体人材の教育に力を入れ始めていますが、長い目で児童が興味を持ってくれる工夫をしないといけないだろう。やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、・・・  工学と自然科学は紙・パワポ・他人がやった動画よりも 本人が対面で実演し実験・実習で体験させるほうが大事です。
 自宅で8Kの光造形3Dプリンタ買いました。研究室にある初期型のダビンチと比べて、ずいぶん低価格化とグレードアップが著しいなと感心しました。取り残されずついていかねば。

GPTをローカル環境で構築

GPT3.5に相当するLlama 2をローカルな環境に構築できるので、しばらく試してみることにする。

1.Text Generation web UIのインストール

2.モデルのダウンロート
試しに、CyberAgentが商用利用可能な7B(68億パラメータ)の大規模言語モデルOpenCalm7Bを使ってみることにする。

metaのサイトからLlama2をダウンロードする。

いずれもSDのautomatic1111みたいに簡単に進めることができる。メモリーは結構必要

ChatGPT

お試しで週末に子供の算数ドリルの問題を入力してみた。概ねわかりやすく教えてくれる。続けて私の研究に関することを試してみた。クリエイティブなことに時間を割かないとですね。

最近のゼミ

通常のゼミをオンラインで行うのももったいない。
そこで、お昼休みのゼミはいくつかターゲットを決めてチュートリアルコースを行っています。ここしばらくはPROFEXによるリートベルト解析を行っています。

落ち着いたらPandas、論文のスクレイピング、機械学習・・・
やりたいことは尽きない。

一気に遠隔講義のインフラが整ったことは喜ばしいことです。

さようならOSX Server

私が助教で着任する直前の2007年あたり、OSX 10.4 Serverからですから随分立ちますが、いよいよ本日で私が管理するサーバからMacが消滅します。理由はいろいろあります。

  • 昨今、自分でカスタマイズできるMacが存在しない。もはや、そういったユーザー層は排除されるのだろう。トルクスレンチを持っている輩は同意見なのでは・・・
  • Server OSに関する情報が非常に乏しい。それだけ開発にコストがかからなくなっているんだろうか?
  • そもそも、ファイルサーバが主な目的だったら高パフォーマンスすぎるMac miniはいらんだろう・・・ディスクも交換できないし

サーバ用途に限ったことではなく、一番許せないのがMacbookの通称「ペタペタキーボード」・・・

OSは非常によくできているし、今でも好きなOSです。ペタペタキーボードになってから一時ThinkpadにOSXを入れようと頑張っていた時もあります。でも、そんな実験に費やす時間的余裕はない状況。